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メーカーの不祥事から考える ものづくりの現場と企業の体質

こんにちは、鈴木あきこです。

 

最近、大手メーカーの品質管理や製品作りに関する不祥事がたくさん報道されています。

 

理系学部の皆さんの中には、将来こうしたものづくりの現場で働きたいと考えている人も多いと思いますが、こういったニュースをどのように見ていますか?

 

私はメーカーの研究所で働いていた経験があります。研究現場と製造現場との違いはあるものの、データの改ざんや隠蔽が起こる背景には、売上アップやコスト削減へのプレッシャーだけでなく、「ミスや事故がゼロ」を目指すリスクがあるのではと想像しています。

 

ミスゼロに潜むリスク

ミスや事故は起きていいことではないはずなのに、ゼロを目指すリスクとはどういうことでしょうか?私は、次の3点があると考えています。

 

①隠蔽体質になってしまうこと

日々たくさんの製品を作っていれば、どんなに注意をしていても、どうしても不良品はできてしまうものです。世に出す前に気づいて出荷を取りやめれば、ミスが消費者に影響を与えることは少ないでしょう。

 

ところが、ミスの発覚を社内で強く糾弾されたり、罰則があったりすると、ミスの申告をしにくくなりますよね。上司に報告がされなくなる、ミスの影響を過小に見積もってしまう、データを改ざんしてしまう、など、「怒られないように身を守る行動」が優先されてしまうことも想像できます。その結果、ミスが隠されるようになり、ミスが発生した現場より下流の現場や最終消費者にまで影響が出てしまいます。

 

 

②ミスから学べないこと

ミスの報告が適切になされないと、原因を把握することが難しくなってしまいます。

 

担当者の操作ミスなのか、オペレーションや仕組みがミスを引き起こしやすいものなのか、原材料や他の工程にも要因があるものなのか…ミスをきっかけに改善がなされ、それ以後に起こるミスを防ぐことができれば、最初に起きたミスは決して「ただの悪いこと」ではなく、改善のきっかけとなるのではないでしょうか。

 

 

③同じミスを繰り返してしまうこと

ミスの原因を把握せず放置する、あるいは当事者の間で留めてしまうと、同じミスを繰り返す原因になります。他の部署、拠点でも同様のミスが起きたり、担当者の異動後に新任者が同じことをしたり…初期段階で適切に報告、共有されていれば、防ぐことができたミスが起こってしまうのです。

 

また、ミスが増えるということは、様々な検査過程をすり抜け、ミスが消費者にまで届く可能性が高まるということでもあります。こうなると、会社全体のイメージダウン、信頼失墜につながりかねません。

 

 

ミスをゼロにすることを目指す、そのこと自体は悪いことではありません。

 

しかし、何が何でも目標を必達すべし、という気持ちを強く持ち過ぎることは、より大きなミスの連鎖や信頼失墜につながるリスクがあります。様々な企業の不正に関するニュースを見るたびに、このような現場の様子を想像してしまいます。

 

ミスへの対処方法で変わる企業の印象

一方、ゼロを目指していても起きてしまうものとして、ミスを反省、共有して次に生かすことは、企業にとっては財産にもなり得ます。消費者や社外にも影響のあるミスがあった場合も、適切に対処することでイメージダウンを最小限に抑え、対応次第ではむしろイメージアップにつながる場合もあります。

 

例えば、最近、食品メーカーなどでは異物混入が起こった場合の対応がスムーズになってきているなと感じます。すみやかに回収、謝罪をし、改善策を公表するなど、きちんと対応している企業であれば、私は事件後に異物混入が起きた商品を買うのをためらうことはありません。もし異物混入商品を買ったとしても、ちゃんと対応してくれればそれで構わないし、むしろ事件直後は、より注意深く検査されていて安全なのではないかと思うくらいです。

 

企業が起こすミス、事故などの不祥事には様々なものがありますが、どのような対応をするか、原因や経緯をどのように分析し、公表し、改善するかで、その企業の体質や風土が垣間見えることがあります。企業研究の参考にしてみるといいかもしれませんね。