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なぜ彼は50社全滅したのか?③

こんにちは。福島直樹です。

 

前回学んだこと

●人気企業ばかり50社受けて全滅する就活生に対して「意識が甘過ぎる」「自己責任だ」という批判がある

●しかしその批判はやや的外れである。すべての就活生がすべての企業を受けられる自由な世界が実現したことが、事の本質である

 

今回学ぶこと

●「自由な世界」がなぜ50連敗と関係するのか?

 

50連敗する理由の一つは、前にも言ったように100倍、200倍という異常な競争倍率です。

なぜこのような高い数字になるのでしょうか?最大の理由は就活生なら誰でも好きな企業を受けられるようになったからです。

就活生は社会で働いたことがありません。ゆえにB2Cの有名企業しか知らず、そのような企業ばかり受ける傾向があります。一部の有名企業に就活生のエントリーやエントリーシートが集中し異常な倍率となります。

 

「福島さんは、就活生なら誰でも好きな企業を受けられるようになったと言ってますが、昔は違っていたのですか?」

あなたのそんな疑問に答えます。そうなんです。

昔は今のように、ほぼ全ての就活生がほぼ全ての新卒採用企業を受けられる世界ではありませんでした。

まずは表を見てください。

 

  • 表:企業を受ける自由(昔と今)
企業を受ける自由 世論の動向 競争倍率

 

自由が制限されていた

・推薦依頼大学制度(1960〜70年代)

・指定校制度(70年代〜80年代)

自由の制限にさほど反発せず

・大学短大進学率16.1%(66年)

・大学学部進学率26.5%(85年)

・インターネット存在せず

概して低い

(人気企業でも50倍程度)

自由がほぼ実現している

・就職ナビ(96年〜)

自由の制限に反発する(機会均等を求める世論が定着)

・大学学部進学率51.5%(2015年)

・ネットで炎上も多数あり

一部で高い

(100〜300倍、時に1000倍超)

 

実は昔は露骨な学校歴差別があったのです。

1960年代には、教授推薦の学生だけを受け入れる推薦依頼大学制度がごく普通に存在していました。70年代には変わって指定校制度が主流となりましたが、一部の大学の学生しか受けられない企業は相変わらず存在しました。(「大卒就職の社会学」(刈谷剛彦・本田由紀/東大出版会)参照)

 

それに対してもちろん反発がなかったわけではありません。しかし大学進学率も低く、一部のエリートのみが大学生になっていた時代です。ゆえに国民的な大きな世論にはなりえませんでした。またインターネットも存在せず、個人が声をあげて炎上するような事件も起きないという事情もありました。

 

そしてこのような時代には競争倍率が低かったのです。誰でも自由に企業を受けられたわけではなく、受けられる人は制限されていました。ゆえに倍率は低く、50連敗や就活自殺という話もあまり聞きませんでした。

 

つまりこういうことです。

 

昔=自由が制限されることで就活が安定していた。

今=自由が実現したことで就活が不安定になった。

 

このような状態に対してあなたはどう感じますか? 次回は、自由が実現した今の世界について説明します。

 

 

 

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